こんにちは。整体広島眞田流の院長 眞田時成です。
流石のコロナ禍の昨今、お友達やお弟子さんから経営の事を色々相談されます。
個別でお答えしていたのですが、せっかくなのでブログと動画に残して整体院の経営をされる方のヒントになって頂ければ幸いです。
考え方は人それぞれなので、色々な考え方や意見もあると思いますが僕の眞田流の考え方をまとめます。
今回の動画はこちら
分類の理解
医業と医業類似行為
医業とは医師が行う「医学上の専門知識を基盤とする経験と技術を用いて診断し、処方、投薬、または注射、外科的手術、放射線照射などによる治療を行うこと。
医業類似行為とは人体に対して危害を生ずるおそれがある行為を除外したもの。
柔道整復師、あんま師、はり・きゅう師(あはき師)が行っている施術及び整体やカイロプラティック、リラクゼーションなど。
整体院を開業する場合は保健所等への届け出や許可は必要ありませんが、税務署への開業届の提出と開業後は確定申告が必要になります。
整体院の開業

まず明確にしたいのは整体院なのかリラクゼーションサロンなのか?の部分です。
リラクゼーションサロンは肉体的、精神的な緊張をほぐし、リラックスすることを目的としています。
「もみほぐし」や「アロマオイルマッサージ」などが該当します。
一方、整体院では国の分類では「医業」→「療術業」→機能改善目的という分類になっていますが
捻挫治療などはできません。リラクゼーション目的の施術も原則NGです。
整体院の開業ですが、基本的に保健所などの届け出は要りませんが、税務署への開業届は必要です。
実力第一ですが
何よりもお客様に喜ばれる実力をつけてからの開業は絶対です。
最低でも改善率は80%以上の技術力は必要です。
僕の言う改善率80%とは身体にお悩みのあるお客様がご来院になって10人中8人以上が施術を受ける前よりも施術を受けた後の方が身体の調子が良くなった。ということです。
よく勘違いしていて困っている症状が80%治る!だと思っている方がいらっしゃいますが、そうではありません。
施術方法は得意な分野でいいのですが、施術前と施術後で明快な違いが分かる事が理想です。
大切なのは、どんな施術でもいいので自分が興味を持ったり、いいと思った施術を身に着けることです。
それにはキチンと治せる施術家に教えて頂く事が何よりも確実です。通信教育ではイマイチ現場に出てから苦労します。スクールや講座、合宿など色々ありますが知識だけでなく、現場の経験が積めるか改善施術の実施修練が出来る所がいいです。
技術力と人間力
開業前の準備で何よりも大切なのは自分自身のこと。
健康状態や資金問題などもありますが、きちんと仕事としてお客様からお金を頂けなければなりません。

まずは技術力
少し厳しい言い方ですが
整体のスクールを卒業しただけ
整体院に勤務経験がある
ほぐし系のお店で勤務していた。
等のレベルでは太平洋をゴムボートで横断するような危うさは否めません。
改善率80%以上って言われると敷居が高いように思いますが僕のお弟子さんたちは開業前の勉強中でも普通に改善率80% 以上になってますし、開業するレベルの方だと改善率90%近くになります。
お弟子さん達の職業も様々で看護師さん、美容師さん、保育園の先生や主婦の方、工場勤務の方やバイク屋さん、整骨院の先生やスポーツインストラクターさんetcですが、月に1回の腱引き伝承会で勉強会で2年もすれば改善率80%を超えるようになります。
ちなみに僕の改善率は98%です。
やはり500人にお一人ぐらいですが、内臓疾患等から来る背中や腰の痛みは施術直後には痛みが消えますが1時間もしないでまた痛みがぶり返してしまう方がいらっしゃいます。まずは内科に行って内臓疾患を治さないと外的症状は消えない方です。
人間力が大切
技術力や高い改善率は必要ですが技術だけ上手くても駄目なんです。
そこには人間力というか、思いやりというか察する力というか温かさというか・・・
技術以外の施術者の人間的な部分で大切な事があります。
どんなに技術が上手くても感じが悪かったり、何を考えてるのか分からなかったりしてお客様の再来に繋がらないことがあります。
逆に言えば技術的にはもうひと頑張り必要なレベルであっても人間力が高い施術者の方は再来が多かったり紹介を多数頂いたりします。
コミュニケーションが苦手でも大丈夫
・・・意外かも知れませんが実は僕もコミュニケーションは苦手で、施術中にあまり喋る方では知れません。勿論、なぜか気があってとても良くお話するお客様もいらっしゃいますが、基本的には黙々と施術しているタイプです。
でもコミュニケーションは苦手でも、話を良く聞くことやお客様の伝えたい事を理解することは得意です。
聴く力と説明力を鍛える
開業前に絶対に身につけておきたいスキルです。
聴く力
聴く力はお客様の話を遮らず最後まで聴いて理解する力。そんなの当然と思いがちですが、症状の辛いお客様、どこに行っても治らなかったお客様になればなるほど、症状が出るまでの経緯や、治療履歴や辛かったことや悩んでいたことetc 沢山教えて下さいます。せっかくの施術時間がお客様話を聴いているだけで15分20分と過ぎることもあります。
でもそれはお客様にとってとても大事な時間なんです。しっかり聴ける力を持ちましょう!
そしてお聴きした内容を丁寧にリピートしてお話が出来たら完璧です!
説明力
先程のお聴きした内容を理解してからの施術になるのですが
施術前に必要であれば施術内容や注意事項などを分かりやすく説明します。
この場合の説明は簡潔で理解しやすい内容でいいと思います。僕の経験では施術前に色々な説明をしても絵に描いた餅のような感じであまりピンと来ないことが多いです。それは今までに色々な治療で色々な説明を受けても効果がなくて単なる言い訳にしか聞こえていないのかもしれません。
しかし施術が終わって、症状が改善されたのが分かってからの原因や施術した内容の説明は大きく頷きながら聴いて下さいます。この施術後の説明はとても大切で【今まで】と【今】の状態を再確認出来たり、他の整体院や通ってきた整形外科、整骨院、鍼灸院との違いも明確になっていきます。
僕の場合は他の治療方法や今までの治療履歴を否定する事は滅多にありません。今までがあって、今があるのですから。
治療履歴の否定の部分ですが、例えばこんな場合です。
膝の痛みで1年近く苦しんでいて〇〇に通い治療を続けていたが、どんどん悪化して歩けなくなってきた。そこの先生に勧められた膝と脚を鍛える筋トレは一生懸命にやってるのに・・・。
このようなお客様には【筋トレは暫くお休みしましょう!】と促すことがあります。膝の痛みを生み出している原因が膝に関連する筋肉が硬直していて、筋トレをすることで硬直が強くなり悪化させているからです。
それ以外には時々Twitterなどでボヤきますが【ドクハラ】だったり理学療法士さんの【暴言】だったり・・・。
そして施術が終わって、施術効果や改善の見込みも理解して頂き【今まで】と【今】の状態を理解して頂いたら【未来】の事をきちんと説明して理解して頂く必要があります。
長年の無理や我慢の蓄積で現れた辛い症状が「たった一回の施術」で完治することはありません。いえ、一回で治してしまったら身体の負担は計り知れません。利益追求や経営の為に次回予告!というのではなく、きちんと身体の状態を見ながらしっかり丁寧に直すことで最終的に治るのですから、その部分を分かりやすく説明してキチンと次回も来て頂くのです。
僕が開院したての頃の失敗談ですが長年の辛い腰痛で苦しんでいたお客様でしたが、施術後に屈伸や前屈後屈をして頂いて、痛みが無いのを確認して喜んで頂けました。そしてお帰りの際にお客様が「次はどうすればいいですか?」と訪ねて下さったので「これで暫くは大丈夫ですので、2週間様子みて連絡下さい」と言ったら「こんなに悪い状態なのに!?2週間空けていいの1?」と仰って・・・。その方はそれ以来来て下さらなくなりました。
これは僕の未熟さと施術効果に対する過信と奢りゆえの失敗です。
お客様は辛い症状をしっかり治したいのだとその時本当に理解できました。
今回の解説はここまで^^
次回は固定費等の部分を解説しますね^^